地味だがちょっと大きめの楔を打ち込む

 大型連休も既に終わり、初夏のような暑さが続いている。黄砂も多少来ていたようで、景色が明らかに黄色っぽい日もあったが、適当なタイミングで雨が降ったりするので、わりと抑えられている印象である。

 その大型連休後半に、投稿していたフィリピン関連論文一本のproof(ゲラ)が届き、結局連休はこれに絡んだ作業とか連絡とかであまり落ち着く暇がなかった。しかしその作業に集中できたという意味では、連休中に来てむしろ良かったとも言えるだろう。
 その論文は現在既に正式リリースとなっている。オープンアクセス誌なので、誰でも無料で閲覧可能である(下記URLからアブストとフルテキストの閲覧、PDFのDL可能)。しかし今現在、サプリメント(データ集)は準備中のようで、未だ公開されていない。たぶん、510点分のデータの表なので、体裁を整えるのに時間がかかっているのだろう。
http://www.mdpi.com/2073-4441/9/5/328

 内容としては、これまでまとまった情報が皆無に等しかった、フィリピンのルソン島・ラグナ湖と周辺地域の各種の水(河川水や湧水など)の、酸素および水素同位体比の分布と時間的変動、そしてその要因に関するものである。
 この種の議論で本来最重要な情報と見なされるであろう、天水(雨水)のデータがないのは、本来の水試料採取の目的が、地表水および湧水に含まれる重金属濃度の測定だったためである。本稿の場合は、地表水および地下水の酸素・水素同位体比から、雨季と乾季のラグナ湖の同位体比を制御する最重要因子の一つが、まさに天水であったという方向で論理を進めているため、自前の天水データ(自分らで採った雨水の測定値)なしでも問題なく(というかむしろ話の筋としては有利に?)論理を展開している。
 詳細は省く……というより、本部長も詳しいところは実際よく知らないので詳しい言及は避けるが、天水の採取にはいろいろと注意すべき事柄が多々あるとのことである。しかしラグナ周辺地域での各地域で得られる天水線の比較は、微気候の研究と絡んで、今後一つの重要な課題になりそうな予感がある(個人的に)。

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 上の写真は、2017年2月13日にアンゴノ市から撮影された、ラグナ湖の様子である。以前書いたように、この時期はフィリピン現地の人にとっては大変「寒い」ため、泳いで遊ぶような子供は皆無であった。
 ちなみにこの時採取した、ラグナ湖の水の大腸菌存在度は……まあ察していただきたい。

 これでようやく、「夜中の仕事」も一段落したので、路上観察方面もちゃんと更新、進行させて行かねばならない。というわけでオジギビト集会所を今後も宜しくお願い致します。